こんにちは。Space BD採用担当です。
今回は、当社の基幹事業でもある「人工衛星打上げサービス(ローンチサービス)」について知っていただくための第一歩として「人工衛星とは?」についてコラム形式でお届けしたいと思います!
<人工衛星とは?>
そもそも人工衛星とは何なのか、どのようにできているのか、ということについてまとめていきます。
初めに「人工衛星とはそもそも何なのか」というところから始めます。
実は、人工衛星の定義は曖昧です。
辞書を引いてみると「ロケットで打ち上げられ、地球・火星などの惑星や月の周りを公転する人工物体(引用:広辞苑)」と定義されています。
広義では地球の周りを回っている人工物はすべて人工衛星と言えるため、ISSやスペースシャトルも人工衛星に当たります。
一方、奇跡的な帰還を果たし、映画化もされ大きな話題になった「はやぶさ」は人工衛星ではありません。天体を公転するのではなく、小惑星まで往復して探査を行なうミッションだったため、「はやぶさ」は探査機と分類されます。
それでは、衛星にはどのようなものがあり、どのように分類されるのでしょうか?
まず、衛星の種類とその例を紹介していきます。
一口に人工衛星といっても、ISSからはやぶさ、10cm立方のCubeSatに至るまで様々な種類があります。
ここでは大きく3つの切り口で衛星を分類します。なお、本記事ではNASAやJAXAによる分類などに準拠して執筆していますが、人工衛星の分類は明確に定められておらず、ここでの定義はあくまで目安です。
①大きさや質量、U(ユニット)と呼ばれる単位の違いによる分類
②衛星を運用する目的の違いによる分類
③打ち上げられた衛星が周回する“高度”と“軌道”の違いによる分類
1. サイズ、質量
人工衛星はミッションによってサイズや質量が異なります。それぞれのサイズ・質量ごとの分類と用途、特徴をまとめると以下のようになります。
大型:1000kg以上 多目的で高性能ミッション機器を搭載する衛星
中型:500~1000kg 高出力で比較的大きな電力を消費する衛星
小型:50~500kg 特定のミッションに特化した衛星
超小型:1~50kg 高性能ではないが実証や教育を目的とした衛星
質量によって大きくサイズが分類され、それぞれのサイズにおいて特徴と用途が異なっています。国家主導の衛星開発では、小型から大型にかけてのある程度の大きさを持った衛星が主に開発の対象となっていました。
一方で、近年の民間企業や大学による衛星開発の対象は、超小型という非常に小さなサイズのものになっています。超小型衛星は、次の表のようにさらに細かく分類されます。
MicroSat、NanoSat、PicoSat、FemtoSatの4つの分類に加え、頻繁に使用されるCubeSat、CanSatの2つの分類を整理すると以下のようになります。
MicroSat:10~100kg
NanoSat:1~10kg
PicoSat:0.01~1kg
CubeSat:約1~20kg
CanSat:約0.1~5kg
femtoSat:0.001~0.01kg
最も大きい質量を有するMicroSatの重量区分には、一部の小型衛星を含みます。
次に大きい質量を持つNanoSatには、超小型衛星の多くが分類されます。近年開発が盛んなCubeSatやCanSatなどの衛星のほとんどがこれに属します。
PicoSatについては、一部の軽量のCanSatがこれに属しますが、その数は未だ少ないです。
最軽量のFemtoSatは、ISSの船内で3Dプリントして製造されるような非常に小さい衛星が例としてあげられます。
次回のコラムでは、人工衛星のミッションについて取り上げる予定です!お楽しみに。
©NASA