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June 27, 2022

次世代の学びを提供する「宇宙×教育」の先にあるもの

西 真一郎

(教育事業開発)
Shinichiro Nishi Education

京都大学教育学部在学中より、教育系NPO法人の関西事業部立ち上げに参画。卒業後は、大阪府の中学校教諭(英語科)として2年間勤務した後、2015年ミラノ万博の日本館にてアテンダント業務を経験。帰国後は、教育福祉系ベンチャーにてプログラミングや動画製作などの子ども向けコンテンツの開発・教室運営に携わる。その後、世界的知育玩具のテーマパークにてワークショップ開発に従事するなど、多様なキャリアを重ねてきた。

なぜ、宇宙産業・Space BD?

これはもう運命か、必然か。
「宇宙×教育」という謎のワードに出会ってしまった!

教育に従事したくて中学校教諭になりましたが、本当にこれが自分のやりたいことなのかと疑問を持ち、一度人生を休んでみる決断をしたんです。そんなときに偶然ミラノ万博での仕事を見つけ、これは運命だ!と思ってイタリアへ。日本館を訪れる世界の人々を楽しませたくて、文化に関わるネタをふんだんに盛り込んだプレゼンテーションを行い、あの頃ミラノで一番ウケていた日本人は、間違いなく私だったと自負しています(笑)。相手に楽しんでもらって、自分も楽しい。こんな働き方がしたかったんだと自分を見つめ直すことができました。帰国後は、また教育に関わる仕事がしたいと思い、教育福祉系のベンチャー企業で子ども向けのIT関連コンテンツを企画・運営したり、テーマパークで知育玩具のプログラミング教材を使ったワークショップを開発したりしてきました。充実はしていたんですが、エンターテインメント寄りの仕事ではなく、教育にもっと軸足を置きたいと考えるようになっていました。そのころ社会見学としていろいろな企業を調べたり、オフィス訪問などをしていたんですが、「宇宙×教育」という謎のワードを発見!聞いたことのない分野、誰もやっていないことだったのでとってもわくわくしました。そしてなによりも、いろいろなキャリアを重ねてきたその次の一手が「宇宙ベンチャー」なんてあまりにもおもしろいなと思い、今すぐ働きたい!とSpace BDに応募しました(笑)。


現在の仕事内容

宇宙に関するコンテンツを、
教育的価値のあるプロジェクトへ変換する。

「宇宙×教育」の事業では、小学生から社会人まで、宇宙やエンジニアリングを知っている人も知らない人も、幅広く様々な人を対象としています。私の主な仕事は、Space BDが行っている宇宙に関する様々な事業や取り扱っているアセットを、教育プロジェクトに落とし込むことです。例えば、高校生向けの「衛星開発の教育プログラム」では、何もないところから考え始めました。どのようにすれば衛星開発を教育的なプログラムに落とし込むことができるかを考え、衛星開発のプロセスを切り取って学ぶ「追体験」という学び方を設定しました。衛星開発のプロセスに紐づいた体験を生徒に提供することで、実際に衛星に触らなくても、自分も一緒に衛星開発に参加しているような体験ができて、自分ゴトとして取り組むことができると考えています。そうした「追体験」には、非常に教育的な価値があると感じています。

また、2021年からは大学との産学連携のプロジェクトも始動し、実践の場がより広がってきました。この取り組みでは大学の先生たちと一緒に2023年開講予定の学部生対象の授業をつくっています。そこでSpace BDは、ビジネスの臨場感を伝えたり、様々な宇宙関連の会社や団体を紹介しています。技術とビジネスのどちらの知識も学べる「文理融合の学び」と「実践の場」を本プロジェクトでは提供していきます。こうした様々な「宇宙×教育」のプロジェクトを展開し、宇宙をたくさんの人の新たな学びのきっかけにしていきたいと思っています。

宇宙の未来について

プログラミング教育のときよりも速く、
宇宙が身近になる世界はやってくる。

「宇宙×教育」のこれからを考えるにあたって参考になるのが、プログラミング教育だと思います。プログラミングは数年前まではコンピュータ好きの人たちだけのものでしたが、子ども向けのビジュアルプログラミング言語や、LEGOのプログラミング教材などが世界中に普及して、幼稚園児や小学生の習いごとになるくらいプログラミングがとても身近な存在になりました。
たぶん、宇宙もそんなふうになると思うんです。「宇宙って何?」「衛星開発って何をするの?」っていう世界が、我々が今つくりだしている機会やコンテンツによって、「宇宙について知ってるってカッコいいよね!」「衛星開発の仕事に自分も就こうかな」という世界をつくることにつながっていると信じています。「宇宙×教育」の事業を通じて、世界にそんな変化をもたらしていきたい。それはきっと、かなり速いスピードで実現されていくと思いますよ。


私の目標・チャレンジ

宇宙教育を展開するキープレーヤー
になる未来を目指して。

目の前の挑戦としては、参加された方に満足していただけるコンテンツをつくることが挙げられると思います。これまでの反応を見ていてもそれなりの手ごたえを感じていますが、もっともっとおもしろいものにしていかねばと思うので、まだまだここからです。今は期間が短かったり、参加者が限られていたりするプロジェクトがほとんどなので、より多くの人が参加できて、質も量も満足いただけるものをつくっていきたいと思っています。
宇宙や宇宙開発に関する教育が求められるようになれば、プログラミング教育のときのように学校の授業に取り入れられる未来がやってくると想像しています。そのとき、Space BDが実践者としてお役に立てると嬉しいですね。そのくらいの規模感で中長期的な目標を描いています。

私にとって
「宇宙」とは
?

「大切なものを伝えるための『コンテンツ』」

私にとって宇宙とは、たくさんの学びの要素が詰まったコンテンツです。もちろん宇宙それ自体を学ぶことも大切ですが、その学びを通して未知への挑戦の機会を生み出し、「自己変容」につながる体験をつくりたいと思っています。
素晴らしいコンテンツだけれども、どのように宇宙と出会うかが重要です。難しくて学びにくかったり、興味を持てなかったりしてはいい出会いとは言えません。宇宙が素晴らしいコンテンツになるよう、学習者と宇宙が素敵な出会い方をするための場づくりをSpace BDが行っていきます。

メッセージ

教育に関わる仕事なので、他者理解ができたり、情緒的なつながりをちゃんと感じられる人がいいなと思います。相手の気持ちを汲み取ったり尊重したりしながら、自分の感情をコントロールして人と接していけるというのも、大事な要素です。それから、Space BDは常に新しいことに挑戦する変化の激しい会社なので、大変な出来事や大きな失敗を経験して、それを乗り越えてきたという人じゃないと難しいかもしれません。失敗をしても、挑み続ける。その中で、笑顔や楽しむことを大事にできる人と一緒に働きたいですね。

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