【登場社員】
◎李 美亜
ローンチサービス事業ユニット長。
2016年ワシントン大学航空宇宙工学部卒業。在籍中、折り紙をモデルとした構造体の設計、衝撃吸収メカニズムの研究に従事。卒業後、National Instruments社にて大手自動車OEM、電機メーカー、研究機関のアカウントマネージャーとして、テストオートメーションを基軸とした開発戦略の提案から運用技術支援等を担当。
◎芳澤 僚
ISSプラットフォーム船外事業ユニット長。
2016年デロイトトーマツコンサルティングに入社。戦略(新規事業開発、全社の中長期経営戦略の策定など)からオペレーション(業務改革・コスト削減、新会社設立など)まで幅広い案件を担当。業界は、商社・消費財・電機・食品など多数経験。
◎山崎 秀司
ISS船内プラットフォーム事業ユニット長。
2012年、AGC株式会社入社。中央研究所にてガラス材料開発を担当。2016年にライフサイエンス分野の新規事業を提案。研究開発、製造、営業など幅広い業務を経験した後、事業開発リーダーとなり、プロジェクトマネジメントに従事。Space BDでは、宇宙×ライフサイエンスをテーマに事業開発を行う。->
「大切にしていること」の策定背景
「大切にしていること」は、成長を導く指針となる言葉。
Space BDは、2024年3月に経営理念を一新しました。
その最上段である存在意義(パーパス)「一生青春、Space BDは自らを高め、豊かに生きるための舞台」は、代表の永崎自身が紡ぎ出した言葉ですが、Space BDの「私たちが目指すもの」、「大切にしていること」とそれを実践していく上でのベースとなる行動指針を経営メンバー、事業ユニット長、そして手を挙げてくれた有志のメンバーととことん議論し、みんなでつくりあげてきました。
特に「大切にしていること」については、会社の未来をつくっていくために、Space BDパーソンとして目指したいと思える姿を言語化すること、そして、みんながより一層頑張るぞ!という気持ちになれる重みのある言葉、かつ、日々の行動指針となる大切な考え方になりました。
それをベースに、一人ひとりが考え日々の行動・業務に落とし込んでいくことが、会社の成長によりつながると思うからです。
言わば、挑戦していく中での道しるべのようなものですね。->

「信頼の連鎖の起点」について
信頼は、すべての基盤。
常に相手へ感謝・リスペクトの気持ちを持つこと。
自らその起点になり、積み重ねていくことが、ビジョンの実現につながる。
大切にしていることの1つめは、『信頼の連鎖の起点』です。
議論のプロセスの中で、「誠実に仕事をし、信頼を積み上げることが、結果会社の成長につながる」というキーワードが出たのですが、これにはSpeace BDのこれまでの歴史とそこで培ってきた仕事への姿勢が凝縮されています。
例えば、お客様との商談の中で「うちの会社はこういうことができます」と言う会社はたくさんあるけれど、「それを成功させた実績があります」と言う会社のほうが信頼できるよね、という話があがりました。
具体的には、実際にある商談で契約の直前で他社に負けてしまった商談があったのですが、そこで諦めずに次の機会を目指して一つひとつ実績を積み重ねていったことで、同じお客様が「やはりこのプロジェクトはSpace BDに頼みたい」と戻ってきてくださったことがありました。
商談の場や単発で仕事をしたら終わりではなく、次の仕事につながることや、さらにその先のお客様の利益につながることを考えて、誠実に真摯に仕事をしていく。そういった「信頼の連鎖」を意識して行動し続けること。一喜一憂せずにしっかりと自分たちのすべきことを紡いでいけば、その先にまた新たな挑戦や取り組みが生まれてくるのだと思います。
そして、宇宙というフィールドでは、前例がないことや答えがないことに挑んでいるので、自分が出す決断に対して胸を張れるかどうかが常に求められていると感じます。
社内のメンバー、お客様、業界外のステークホルダーに対して、そして自分自身に対しても、正々堂々としていられるか。そうした心構えで真摯に全力で仕事をすることが、信頼を生み、また次の仕事へとつながっていく。
「信頼の連鎖」は以前からSpace BDにおいて大切に考えられてきたものですが、そこに「起点」という言葉を加えたことで、より率先して行動に移しやすくなったと感じています。
とはいえ、信頼を築いていくことは、すぐにできることでも簡単にできることでもありません。
私たちは、信頼というものは「感謝」や「リスペクト」の上に成り立つものだと捉えています。
一つひとつ誠実な仕事を積み重ねて、それを最大限にやった先に「ありがとう」の連鎖が生まれ、それが「信頼」につながっていくと思うのです。相手を常に思いやり、感謝やリスペクトの気持ちを持つこと。
人間としての正しさを貫き、正々堂々と胸を張れる対応をすること。
それをないがしろにしていきなり信頼を得ようとしても、独りよがりな行動になってしまいかねません。
Space BDは、宇宙ビジネスの産業化というものすごく大きな夢を追いかけているからこそ、一人ひとりが自分が信頼の連鎖の起点になるという意識を持ち、次へとつながるビジネスを一つひとつ形にしていくことが重要だと考えています。->

「無限の当事者意識」について
一人ひとりが全力で、質の高い仕事をする。そして、調和ある最高のチームワークでより良い成果を。
大切にしていることの2つめは、『無限の当事者意識』です。
ここでの議論の過程では、自分がファイナルのつもりで仕事をする、悪い結果も全て受け入れるというものが出ました。
当事者意識を持ちなさいというのはどんな場面でもよく言われることだと思いますが、ここにあえて「無限の」と付けたところに意味があります。
今日自分がもう少し良いほうにできたことってあるよね、自分があのときもう一歩踏み出したからこの結果につながったよねと、結果が良くても悪くても、常にもっともっとという視点を持ち続けること。
そうすると、たとえ何か上手くいかないことがあっても、確実に次はもう少し良くしていける。どんな困難に直面しても次の一手を出し続けられる。
メンバーだから、マネジャーだから、経営者だからではなく、全員が常に「もっともっと」と自分の視座や当事者意識を無限に広げていきたい。それが自分自身の成長、会社の成長につながると思っています。
また、「一人で抱え込まない」というキーワードも出たのですが、これも本当に大事なことだと思うのです。自分がファイナルのつもりで仕事をするとは、決してその人だけにすべてを押し付けるという意味ではありません。
でも知らず知らずのうちに、これは自分が頑張らなければと相談することをためらってしまったり、視野が狭くなったりしてしまうかもしれません。
だからこの言葉があることで、まわりの人にも「今一人で抱え込んでいないか?」という目配りができ、相手を思いやることができると思うのです。
無限の当事者意識を持って一人ひとりが全力で仕事に臨みながらも、互いに力を出し合い、支え合い、最高のチームワークを発揮していくことがより良い成果につながる。Space BDはそんな組織でありたいと思っています。->

「未来を創る脚本家」について
未来へのストーリーを描き、自ら実行する。
答えが決まっていないからこそ、本質を捉え、創造するおもしろさがある。
大切にしていることの3つめは、『未来を創る脚本家』です。
まず「脚本家」というのは、これから先のことや、さらに上の視座を見据えて、先見性を持ちストーリーを描く人という意味です。
ただ私たちSpace BDは、宇宙ビジネスを一つひとつ形にして実績を増やしていき、それを将来的には産業にしていく会社なので、ストーリーをつくるだけではなく、自分自身も実行者として体現していくということをメッセージとしても盛り込みたいと思いました。
そこで、行動指針の「未来は意図的に創るもの」という言葉には未だ答えのない宇宙業界においても明確なストーリーを描いてプロジェクトを遂行するという意思が表れています。
そして、先を見据えながら、常にその時点での最善を考えて思考停止しないこと。
宇宙業界は今まさに変革期であるがゆえに、いろいろな前提条件がすごくあやふやなまま物事が進んでいくということが多くあります。
プロジェクトを進めていく中で、期待していたファンドからの資金提供の話がまとまらなかったり、組める予定だったステークホルダーとの協業の話がなくなってしまったりというようなことも起こり得るのです。
だからこそ、そのピースがなくなったらプロジェクト全体もダメになってしまうという状況をつくらないために、何か起きても代替手段を提示していけるよう常に考え、行動し続けることが大切だと思っています。->

これからのこと
Space BDらしさを磨き、さらなる成長に向かって。
腹落ち感を持った浸透を大事にしていきたい。
現在、「大切にしていること」が社内リリースされてから約1年となりますが、自分の中での意思決定や、会議体の中での議論においても、より会社の前進につながる言葉になっているなと感じています。
自らも振り返った時に、「それって正々堂々やり切ったといえるのか?』」「それだと『未来を創る脚本家』になれていないよね」など、日々の活動でも言葉を通じてはっとさせられる場面が多くあります。
また、このプロジェクトに関わってくれたメンバーが、自分の言葉で、「大切にしていること」に込めた想いを含めて様々なシーンで活用してくれているのがとても嬉しいです。新たな会社の文化づくりとしてとても良いスタートを切れたのではないかと思います。
これをさらに全社の一人ひとりに腹落ち感を持って浸透させていくためにも、いろいろな場面を通じて伝えていきたいと思っています。->


私たちにとって宇宙とは?
「人の可能性を解放できる舞台」
宇宙は不確実性が高く、予見性も低い。そして決まった正解もない。答えは、自分自身の中にある。
それが宇宙ビジネスの大きな魅力であり、ものすごくチャレンジングなことに挑んでいるんだなと日々実感することができます。だからこそ、宇宙というものは「人の可能性を最大限に解放できる舞台」なんじゃないかと本気で思っています。
Space BDという会社が人や組織にさらに強みを持って、世の中にもっと大きな影響力を与えられる会社になれたらいいなと思っています。