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September 27, 2022

宇宙利活用の裾野を広げ、「産業の黎明期」に次なる展開を

佐藤 正崇

(事業開発)
Masataka Sato Business development

慶應義塾大学大学院理工学研究科にて金融工学を専攻、仏・Ecole Centrale de Nantesではジェネラルなアプローチでエンジニアリング全域を広く学び、仏大手自動車メーカーでのインターンなども経験。前職では人材系のITベンチャー企業にて、海外領域のマーケティング責任者や新規事業立ち上げを担当し、データベースの構築とサービス連携、UXデザインの策定などに従事してきた。

なぜ、宇宙産業・Space BD?

新しいことに挑戦する人間であり続けるために。
産業の黎明期、少人数の環境で、自分を鍛えていきたい。

新卒入社した前職は人材・IT系のメガベンチャーで、主にWEBマーケティング領域の仕事をしていました。常に考えながら、何か新しいことに挑戦し続ける人間でありたい、という「自分のありたい姿」に基づいて、そんな働き方ができる環境を求めて選んだ会社でした。そこでいろいろと経験はできていたのですが、1000名超の大きな組織だったので自分がすべてをやらなくても上手くまわるところもあり、どこかで甘えが出てしまっているんじゃないかと感じるようになって…。できることを増やしたい、自分を鍛えたいという想いから、50名規模のSpace BDへの転職を決めました。元々、宇宙大好き少年だったので、せっかく転職するなら憧れの世界を覗いてみるのもいいかもしれないと興味を持ったのがSpace BDに出会ったきっかけだったのですが、宇宙産業は今まさに「産業の黎明期」にいて、成長の真っ只中。そこに自分も入り込んで、新しいことを考え続けながら、新しい産業を大きくしていくという挑戦をしていきたいというのが、一番大きな決め手になりました。


現在の仕事内容

お客様のビジネスや活動に「付加価値」をつけるという発想で、宇宙利活用の裾野を広げる!

現在、私は主に「スペースデリバリープロジェクト」の業務を担当しています。地球から宇宙にモノを持っていき、ISS(国際宇宙ステーション)の船外に設置された「ExBAS」という曝露実験ができる装置を使って、一定期間、宇宙空間にモノをさらした後、それをまた地球に持って帰ってくるというプロジェクトで、研究開発や教育、企業のプロモーション、エンターテインメントとしての活用など、様々な用途での宇宙利活用を開拓する取り組みとなっています。私はそこで、民間企業や研究機関など多様なお客様に対し、宇宙空間をお客様のビジネスや活動に「付加価値」をつけるために使っていただけるようなサービスの提案や、実際に宇宙に持っていくモノの調整などを行っています。

本プロジェクトの他にも、例えば「ISSCM撮影をしたい」など、何らかの形で宇宙を使いたいというお客様のリクエストにお応えするため、プランを練ったり、JAXAや協力機関などと調整を行ったりしながら、型に捉われない宇宙利活用を実現していく仕事もしています。また、「宇宙というテーマを地方創生にどう活用することができるか」という地方自治体との取り組みにも携わるなど、入社半年ではありますが、事業開発のポジションとして、宇宙利活用の裾野を広げるための様々なチャレンジができています。同じベンチャーでも前職との一番大きな違いは、宇宙ビジネスの世界には「答えがないこと」。その中で自分の仮説を見出し、突き進んでいく。大変ではありますが、自分の成長も感じながら、すべてに全力で挑んでいくおもしろさを実感しています。

宇宙の未来について

宇宙への道は、いつか世界中の人が
「壁」を越えて協力し合える社会につながる。

宇宙が身近な存在になるにつれ、社会にも少しずつ大きな変化がもたらされていくと予想しています。

いろいろな可能性を持っている宇宙から「そこにしかない価値」を手に入れるためには、絶対に協力が必要です。そんな宇宙の価値をみんなが享受できる社会になるということは、必然的に多くの人が集まり、心を1つに、協力して取り組む姿があるということ。ISSが国際協力の賜物であるように、国籍、人種、宗教などの壁を超えて協力し合う、そういう人の集団としての社会に、世界が変わっていくのではないかと思うんです。宇宙がまだ誰のものでもないからこそ、まだまだ遠い存在だからこそ、宇宙利活用の普及が世界を変えていく1つの大きな契機になるのではないかと思います。


私の目標・チャレンジ

小さな積み重ねが、世界を変える!
宇宙利活用の可能性を、1つずつ「可視化」していきたい。

1歩ずつ、1社ずつ、1人ずつ、私たちの取り組みを知っていただいて、賛同していただける方を増やしていくこと。それが、宇宙をみんなの身近なものにし、世界を変えていくことにつながると感じています。「スペースデリバリープロジェクト」でも、参加企業様から「自社開発品の宇宙実績をもっと積み、宇宙領域に参入していきたい!」「宇宙のプロジェクトに参加したことで多くの反響があり、自社の知名度アップにつながった!」という感想をいただいたり、技術面でご協力いただいた企業様からは「今まで地上用に開発してきた自社の技術が、宇宙領域でも活用できるという素晴らしい発見ができた!」という声もあり、こうした気づきを、特に宇宙とは無縁だと思っていた方々にもたらしていくことは、Space BDの使命でもあると思います。1人でも多くの方に「宇宙にはこんなおもしろさがあるんだ!」という新たな視野を持っていただけるよう、様々なコラボレーションも取り入れながら、宇宙利活用の可能性を1つずつ可視化していきたいと考えています。

私にとって
「宇宙」とは
?

「潜在的価値に、ビジネスで挑んでいく場所」

みんなが潜在的な価値に気づいてはいるけれど、それを明確に言語化できてはいない。宇宙に対するイメージもまだ漠然としている中で、そこに憧れや興味、ワクワク感みたいなものを抱く人もいたり、ビジネスをつくることで言語化しようと取り組んでいるSpace BDみたいな集団もいつつ、だけどまだ全体としてはふわっとしている現状。

それはある意味、私の幼少期からの宇宙へのワクワク感が消えていないという点では嬉しいことである一方、ビジネスとして関わっている身としては悔しいことでもあります。宇宙ビジネスには答えのない難しさもありますが、答えがあったらおもしろくない!その中で、日々新しいことに出会い、何かまた新たな「できるかもしれない!」というアイデアが生まれる瞬間ほどワクワクすることはありません。そんな環境を楽しみながら、宇宙の未来に向かって挑み続けていきたいと思います。

メッセージ

Space BDの事業開発の仕事は、チャレンジし続けられる気概と、どんな環境でも楽しめる気持ちを持ったタフネスな方に合っているのかなと思います。まだ誰も正解を知らない挑戦の中で自分が考えたことを進めていくには、いろいろな面で負荷がかかってくるものです。私たちも日々、新しいアイデアの芽を見つけては、それに水をやって、失敗したり育ったり、というのを繰り返しています。手応えを得るよりも、失敗する確率のほうがはるかに高いくらいのレベル感で。その覚悟があっても、上手くいかないことに直面するのはやはり辛いものです。でも、それを受け入れて、立ち向かい続けられるレジリエンスのある方にとっては、刺激の絶えない挑戦し甲斐のある環境だと思います。

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